親知らずは別名智歯とも呼ばれ、前歯から数えて8番目にはえてくる歯です。10代後半から20代前半に生えてくることが多く、12歳頃に生えそろう他の永久歯に比べ、親が知らないうちに生えるため親知らずと呼ばれるようになったとも言われています。通常上下左右4本存在しますが、生えるスペースがなく、横や斜めに傾いて出てきたり、骨の中に埋まったまま生えてこないことがよくあります。また、歯ブラシも届きにくいため細菌が繁殖しやすく、虫歯になったり周りの歯肉が腫れて(智歯周囲炎)痛みが出ることがよくあります。
次のような場合には抜歯をお奨めします。
1度腫れると少し時間をおいてから再び腫れることがあります。短期間(1~3ヶ月)に腫れることが繰り返されるときは抜歯をお奨めします。
親知らずが斜めに傾いて出てきた場合、前の歯に悪い影響(虫歯や歯周病のリスクが高まる)が出る場合、前の歯を優先して保護するために抜歯をお奨めします。
治療器具が上や下の歯にぶつかって虫歯の治療ができないような場合、抜歯が有効な治療となることがあります。
親知らずは生えてくるスペースがないと、前方の歯を押して出ようとして、正常な歯並びを乱してしまうことがあります。歯並びを保護するために親知らずを抜歯したほうが良いことがあります。
正常に生えてきたとしても、かみ合わせる歯がない場合には、奥歯の後ろの歯肉を咬んで、炎症を起こすことがあるため、抜いた方が良いことがあります。
<治療例>
顎関節症とは、
*口が大きく開けられない
*口を開けるとあごが痛い(片側もしくは両側)
*口を開けるとあごの音がする(片側もしくは両側)
を主な症状(3大症状)に持つ疾患です。20~30歳代の女性に多いと言われていましたが、最近は子供が顎関節症を訴えるケースも増えています。
顎関節症の原因は、精神的ストレス、あごに過剰な負担をかける食いしばりなどのクセ、かみ合わせの異常やあごの損傷などさまざまで、これらが積み重なって許容限度をこえたときに起こると考えられています。
許容限度には個人差があり、子どもや若い女性は靭帯が軟らかく伸びやすいため、ちょっとした負担で関節がずれて症状が起こることが多いのです。
毎日の生活習慣で顎関節症を防ぎましょう!
次のようなクセや習慣は要注意です。
*歯ぎしりがある
*気がつくと歯をくいしばっていることがある
*寝る時は横向きか、うつぶせが多い
*食事のときに、いつも左右どちらか決まったほうで噛んでいる
*頬づえをつく癖がある
*姿勢が悪い
*あごを後ろに引く管楽器の演奏、あごで楽器を挟むバイオリン演奏
*ラグビーや相撲などのコンタクトスポーツや格闘技
顎関節症の症状があった場合に一番大切なことは、あごの関節に負担をかけないことです。固い食べ物やガムやスルメなどあごに負担のかかる物をひかえ、大口を開けたりせず、しばらくあごを安静にして過ごしましょう。数日しても改善しない、または症状を繰り返す場合には、病院での治療をお奨めします。
スプリント(マウスピース)療法
就寝中の歯ぎしりや食いしばりは、精神的なストレスやかみ合わせ異常などの口腔環境のストレスから起こりますが、歯やあごに加わる力は食事の時の2倍にもなる大きな負担です。スプリント療法は、このかみしめ時の顎関節の負担を軽くする治療法です。おもに就寝中にスプリントを使用していただき、歯ぎしりや食いしばりの負担を分散・軽減することで顎関節症の症状の軽減をはかります。
口唇を引っ張ると筋のように見える歯肉と口唇をつなぐ上下唇小帯、他には歯肉と頬粘膜をつなぐ頬小帯、舌と口腔底をつなぐ舌小帯などがあります。
このうち小児期から注意が必要なのは歯並びや発音に障害となる、舌小帯と上唇小帯の異常です。
舌小帯の過緊張や肥厚などの異常は、舌の運動が妨げられるため発音障害、上顎の発育障害、歯列不正、口腔内の清掃不良を引き起こします。
上唇小帯の過緊張や肥厚などの異常は正中離開(上前歯の間に隙間があく)、歯肉炎、歯周炎の原因となります。
大人になって問題が出てくるのは頬小帯の付着異常です。
頬小帯が高位(歯に近い側)に付着することで、口腔内の清掃不良を引き起こしやすくなります。また、歯肉退縮や歯頸部の虫歯のリスクが高くなります。歯を失って入れ歯になった後も、入れ歯の安定を妨げる原因になることがあります。
<治療例>